この一節に注ぐ熱
今日は、広瀬香美の『ロマンスの神様』の一節について書こうと思います。
出会いに期待し、トントン拍子にことが進む未来を描く女性の気持ちを、気持ちのよいハイトーンで歌いあげるおなじみ大ヒット曲です。作詞作曲どちらも広瀬香美です。
別にファンでもないし、古めのにおいがいい感じに自分の中で転化してなくて、なんか取り立てて書くのが気恥ずかしいのですが、実はこの曲の中にめちゃくちゃ病みつきになっている一節があります。
それは、
Boy Meets Girl
土曜日遊園地 一年たったらハネムーン
この一節です。
私はなにも、歌詞に共感しているわけではありません。ここの歌詞の簡潔さと、メロディのガン決まりに病みつきになっているのです。
言葉のキレとメロディとの融合
ここ、他の歌詞と違って言葉がものすごく切りつめられていないでしょうか?
「誰が」やら「何する」やらの言葉がありません。
しかしながら、「土曜日遊園地」はおそらく「出会った男性と土曜日に遊園地デートに行く」っていうことだろうし、「一年たったらハネムーン」は「そうやってデートして一年経過してついにゴールインしてハネムーンに行く」ということだろうというのが、このタイトな歌詞ですぐわかります。
なぜわかるかというと、全体の流れにもまして、「土曜日遊園地」と「一年たったらハネムーン」で対句にしているからです。しかも土曜日という近い予定と、結婚までの時間としてはまあ短いけど遠い予定の一年後を対置し、遊園地というプチおでかけに幸せの絶頂ハネムーンを対にするというスケール感の操作。漢詩やん。
そして、助詞などでゴテゴテ繋げるのではなく、簡潔にワードを配置しています。歌謡曲、J-popはあたかも話しているかのように歌詞が繋がる部分が多いのが普通です。
『ロマンス神様』の冒頭を見てみましょう
勇気と愛が世界を救う 絶対いつか出会えるはずなの
沈む夕日に淋しく一人 こぶし握りしめる私
今日は、広瀬香美の『ロマンスの神様』の一節について書こうと思います。
出会いに期待し、トントン拍子にことが進む未来を描く女性の気持ちを、気持ちのよいハイトーンで歌いあげるおなじみ大ヒット曲です。作詞作曲どちらも広瀬香美です。
別にファンでもないし、古めのにおいがいい感じに自分の中で転化してなくて、なんか取り立てて書くのが気恥ずかしいのですが、実はこの曲の中にめちゃくちゃ病みつきになっている一節があります。
それは、
Boy Meets Girl
土曜日遊園地 一年たったらハネムーン
この一節です。
私はなにも、歌詞に共感しているわけではありません。ここの歌詞の簡潔さと、メロディのガン決まりに病みつきになっているのです。
言葉のキレとメロディとの融合
ここ、他の歌詞と違って言葉がものすごく切りつめられていないでしょうか?
「誰が」やら「何する」やらの言葉がありません。
しかしながら、「土曜日遊園地」はおそらく「出会った男性と土曜日に遊園地デートに行く」っていうことだろうし、「一年たったらハネムーン」は「そうやってデートして一年経過してついにゴールインしてハネムーンに行く」ということだろうというのが、このタイトな歌詞ですぐわかります。
なぜわかるかというと、全体の流れにもまして、「土曜日遊園地」と「一年たったらハネムーン」で対句にしているからです。しかも土曜日という近い予定と、結婚までの時間としてはまあ短いけど遠い予定の一年後を対置し、遊園地というプチおでかけに幸せの絶頂ハネムーンを対にするというスケール感の操作。漢詩やん。
そして、助詞などでゴテゴテ繋げるのではなく、簡潔にワードを配置しています。歌謡曲、J-popはあたかも話しているかのように歌詞が繋がる部分が多いのが普通です。
『ロマンス神様』の冒頭を見てみましょう
勇気と愛が世界を救う 絶対いつか出会えるはずなの
沈む夕日に淋しく一人 こぶし握りしめる私
週休二日 しかもフレックス 相手はどこにでもいるんだから
今夜飲み会 期待してる 友達の友達に
助詞が多く、繋がりがはっきりわかりますし、「はずなの」「いるんだから」と会話調の語尾とメロディもあいまって女の人が喋ってるみたいに聞こえます。Aメロあたりは歌詞の背景を説明する場合がいろんな曲に見られますね、
最も有名な大サビはこうです。
Boy Meets Girl 幸せの予感 きっと誰かを感じてる
Fall In Love ロマンスの神様 この人でしょうか
サビはインパクトが求められる顔ですから、冒頭に比べてギュッと簡潔になっています。「予感」「神様」の体言止めが見られます。
ただ、「幸せの予感 きっと誰かを感じてる」の流れにはある程度繋がりがあり、「ロマンスの神様 この人でしょうか」にいたっては名前を呼びかけて→問いというわかりやすい接続があります。
しかし、3回目のサビを見てみると、
Boy Meets Girl
土曜日遊園地 一年たったらハネムーン
急に枝葉末節の大胆な払いのけがあります。さっきまでと違う歌詞構造にドキッとしないでしょうか。
ここでは「たったら」という接続以外はゴンゴンと単語を置いています。
ほんで、「たったら」は「たったら」で、「ハネムーン」の音が高く上っていく直前の助走のようです。「たったら」の小さい「っ」で刻まれるリズムと、「たら」の接続が「ハネムーン」へきれいに連なってるように感じませんでしょうか。あと、「ムーン」という言葉の気持ち良い伸びもえげつい。
この歌詞の過不足のなさ、歌詞が本来もってるリズムとメロディとの結合・・・
あまりにもときめきすぎて、私はこの一節を聞くたびに
軍記物語『平家物語』を彷彿としてしまいます。
明らかに持ち上げすぎでしょうが、簡潔な言葉の羅列と、言葉のリズムの心地よさは近いものがあるような気がします。
しかし、『ロマンスの神様』は最後はこんな歌詞で締めくくります。
Boy Meets Girl いつまでも ずっとこの気持ちをわすれたくない
Fall In Love ロマンスの神様 どうもありがとう
・・・・
めちゃくちゃ冗長になった上に、「どうもありがとう」なんてエッジゼロの言葉で終わります。
まあ幸せになったぽいふんわりラストで、それはそれでいいし、計算した上での選択なんでしょうが、どうしても「あの歌詞の強さわい」といつも思います。
私は『ロマンスの神様』ファンというより「土曜日遊園地 一年たったらハネムーン」ファンてな感じでしょうか。
今夜飲み会 期待してる 友達の友達に
助詞が多く、繋がりがはっきりわかりますし、「はずなの」「いるんだから」と会話調の語尾とメロディもあいまって女の人が喋ってるみたいに聞こえます。Aメロあたりは歌詞の背景を説明する場合がいろんな曲に見られますね、
最も有名な大サビはこうです。
Boy Meets Girl 幸せの予感 きっと誰かを感じてる
Fall In Love ロマンスの神様 この人でしょうか
サビはインパクトが求められる顔ですから、冒頭に比べてギュッと簡潔になっています。「予感」「神様」の体言止めが見られます。
ただ、「幸せの予感 きっと誰かを感じてる」の流れにはある程度繋がりがあり、「ロマンスの神様 この人でしょうか」にいたっては名前を呼びかけて→問いというわかりやすい接続があります。
しかし、3回目のサビを見てみると、
Boy Meets Girl
土曜日遊園地 一年たったらハネムーン
急に枝葉末節の大胆な払いのけがあります。さっきまでと違う歌詞構造にドキッとしないでしょうか。
ここでは「たったら」という接続以外はゴンゴンと単語を置いています。
ほんで、「たったら」は「たったら」で、「ハネムーン」の音が高く上っていく直前の助走のようです。「たったら」の小さい「っ」で刻まれるリズムと、「たら」の接続が「ハネムーン」へきれいに連なってるように感じませんでしょうか。あと、「ムーン」という言葉の気持ち良い伸びもえげつい。
この歌詞の過不足のなさ、歌詞が本来もってるリズムとメロディとの結合・・・
あまりにもときめきすぎて、私はこの一節を聞くたびに
軍記物語『平家物語』を彷彿としてしまいます。
明らかに持ち上げすぎでしょうが、簡潔な言葉の羅列と、言葉のリズムの心地よさは近いものがあるような気がします。
しかし、『ロマンスの神様』は最後はこんな歌詞で締めくくります。
Boy Meets Girl いつまでも ずっとこの気持ちをわすれたくない
Fall In Love ロマンスの神様 どうもありがとう
・・・・
めちゃくちゃ冗長になった上に、「どうもありがとう」なんてエッジゼロの言葉で終わります。
まあ幸せになったぽいふんわりラストで、それはそれでいいし、計算した上での選択なんでしょうが、どうしても「あの歌詞の強さわい」といつも思います。
私は『ロマンスの神様』ファンというより「土曜日遊園地 一年たったらハネムーン」ファンてな感じでしょうか。
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